第161話:モルコム・カルプタム〜マッドマジックサイエンティスト〜

 科学とは、この世の真理を解き明かす学問である!

 科学で解き明かせない現象など無い!

 と、思っていた、死ぬまでは。

 死んで別の世界に来るとはなんだ?

 魔法とはなんだ?

 魔物とは、なんなのだ?

 どこの世界にあらゆる物質に伝導し、任意のポイントでどんなエネルギーにも変換可能なエネルギーがあるんだ!?

 それがこの世界にはある、あるものは仕方ない。

 あるものは、ある、認めざるを得ない。

 あるものを認められないのは科学者としてはダメだ。

 科学者たるもの、理解できないものにであったときは、目をそらしてはいけない。

 これは、チャンスである。

 このような万能エネルギー、研究しない手はない。

 このエネルギーの扱いさえ確立してしまえば他の探究もやり易くなることは間違いない。

 な。

 いくつか、携帯端末デバイスでDLできる魔法をDLして使ってみたが、さっぱりわからん。

 見た目として分かりやすい、物体を浮遊させる魔法を試してみたが、携帯端末デバイスと対象物の間に働いているはずのエネルギーは全く感じとることはできなかった。

 物体を浮かすというからには電磁力でも発生させているのかとも思ったが、対象物以外は全く反応しなかった。

 対象物の素材も関係なく、金属だろうが植物だろうが生物だろうが関係なく浮かすことができた。

 対象物と携帯端末デバイスの間を遮ってみても、対象物は落ちなかったしどうなっているんだこれは。


 様々な実験を行った結果、おおよその仮説は立てられた。

 大気中、物質中には魔力と呼ばれるエネルギーが発生させた信号を伝達する物質、質量がある物なのかはわからないが存在し、携帯端末デバイスは複数の信号を発する。

 その信号は任意の位置でぶつかり、信号を受けた対象物は信号に応じた現象を発生させるのだろう。

 そうなると、物体を浮かせているエネルギーはどこから得ているのか謎だ。

 信号に反応してエネルギーに変換している何かがあるのかもしれない。

 他の魔法も研究して、いつの日か解明したい。

 謎のエネルギーでも存在するのならば科学で解明できるはずだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る