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 サービスエリアに到着してトイレに行ったあと、買ってきた缶コーヒーを開放した車内でちびちびと飲んでいると、売店から戻って来てすとんと隣りに座ったミクが、食べる? と言ってぬっと紙に包まれたハンバーガーを差し出してきた。ぼくがまごついているとミクは、あそっか、あんたお肉駄目だったんだよね、ハンガーストライキ中だもんね、こっちの方がいっか、と言って他のものに交換しようとした。ぼくはそれを断った。ハンガーストライキとか違うから。そうぼくが言うとミクは、そ? とだけ言って包みを開き、むしゃむしゃとチーズバーガーをぱくつき始めた。そんなミクを見るでもなく見やりながら、でも、どうしてぼくは肉を食べないんだろうということを独りでに考え始めていた。

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