第101話

覚醒

 夜明けの光の中、三郎太は住処から外へ出た。

 なぜか胸騒ぎに襲われている。

 ──よ……

 頭の中で水虎さまの〝声〟が響く。

 ──来たれ……お前の使命を果たす時が満ちた……

 ふらふらと、どうにも三郎太の足取りは頼りない。なんだか夢の中にいる気分である。

 気がつくと三郎太は、水虎さまの前へ辿り着いていた。

 巨大な水虎さまの像が三郎太を見下ろしている。再び水虎の〝声〟が響いた。

 ──三郎太、そちは長きにわたり、おのれの正体を自分からも隠してきた。

 が、もうその必要は、一切ない。さあ、本来の自分に戻るのだ!

 水虎の足下にぽっかりと穴が開く。三郎太はその中へ姿を消した。

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