280626 『しゃくれ』って差別用語だから使わないほうがいいよ
『しゃくれ』って差別用語だから使わないほうがいいよ
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同僚の一言より
「『しゃくれ』って差別用語だから使わないほうがいいよ」
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(正確にはまだ『しゃくれ』は、差別用語または放送禁止用語にあたるかと言われると、そこまで厳密に禁じる形で扱われていないようです。現在でもメディアで使われる場合があります)
私はそこそこ言葉には気を遣っているつもりだったけれど、これを指摘されたときには驚きました。確かに「目の不自由な方」のように、先天的に「受け口」「
しかし線引き難しいですよね。ただの特徴を言い表しているつもりでも、社会的な認識によっては差別用語に分類されかねません。少しずつ覚えていくしかないのかしら。
個人的にこの単語はテレビの「黄金伝説」という番組で、名物芸人さんが飼っていたニワトリに『しゃくれ』という名前をつけていたことから、とてもユーモラスだし、響きがとぼけていてかわいいなぁと思って、普通に使われる言葉だと思っていました。
いや、これも結構前の話ですし、時代の流れなのかもしれません。そういえば最近昔の映画の再放送前には大抵決まって「一部不適切な表現がありますが、作品を尊重し当時のまま放映します」のような旨の注意書きが出ますね。
これ自体は悪い傾向ではないと思います。不快感を招くものへの配慮が行き届いていくということです。不快な表現が気になって作品に集中できないというのは、作者と読者の両方にとって不幸なことですから、行き届くのは良いことなのでしょう。
ただ、言葉って言うのは指すところが伝わらないと意味がありません。配慮して回りくどい表現にどんどん押しやられるのも難しくなってきますね。
まぁいい機会ですし、子供がいじめで使いそうな差別表現だなーと感じたならば、言い換えて表現していく工夫をしたいと思います。それ自体語彙のトレーニングになるでしょう。
サリンジャー著の「ライ麦畑でつかまえて」の訳は「僕は耳と目を閉じ、口をつぐんだ人間になろうと考えたんだ」の方が最初の訳よりも意味と意図を捉えていて正確だと思うのです。
ああ、もう一つ参考になるのは、荒木飛呂彦さんのやり方ですかね。『ド低能』が差別用語にあたると指摘され、『クサレ脳ミソ』に置き換えたらしいですが、口汚いニュアンスを保ったままで置き換えていて、とても良いと思います(真顔)。そうそう、表現を変えたからと言って、印象がお上品になってしまっては良くありません。ニュアンスや雰囲気を保ったまま、置き換えることが望ましいでしょう。
でもその置き換えにも限界があります。例えば幼少期から「しゃくれ」といわれ続けた方が、『「しゃくれ」と呼ばれて』という本を出そうとしたとします。しかし、その表現が差別を掻き立てるに当たるから、『「あごでか」と呼ばれて』に置き換えたとしましょう。
しかし、その方が今まで「しゃくれ」と呼ばれ続けたのは事実なわけです。それを近いニュアンスとはいえ、「あごでか」と置き換えても、違和感があるでしょう。その人にとっては、その言葉だからこその憤慨や痛切さがあるにも関らず、違う表現に置き換えられてしまう。これでその人の屈辱やら歯がゆさが十二分に伝わるかというと、違うと思います。少しの響きでも、言葉はその言葉にしか語れない何かがあります。
敢えてその言葉に思い入れがあるのなら、それを言うこともアリだと思うのです。意図や意識のある表現ならば、許容して欲しいなーと思うのです。
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