第15話 猫草
先週末に水をあげた猫草がもう10cmくらいまで成長していた。
猫は毛づくろいしてときに飲み込んだ自分の毛玉を消化できない、という話を聞いて、猫草を導入してみた。
今日まさに猫草と初対面なのだが、食べられることがわかっているかのように、パクリと一口食べた。
やっぱり猫草というだけあって、猫が好きな味でもするのかと思ったが、すぐに草で遊び始め、食べているのかじゃれているのかわからない。
これを書きながら改めて、猫草について調べているのだが、猫草の効能には諸説あり、健康によいわけでも毛玉を出すのに効果があるとは言い切れないという意見も最近ではあるようだ。
猫はもともと肉食獣のため、食物繊維を消化できない、とは聞いていたが、猫草を食べたところで、吐き出すか排便として外に出させるしかないという。
それでも整腸作用があることや植物から得られるビタミンもあるから、猫によっては好んで食べる猫もいるらしい。
人間もそうだが、食事としては偏りよりも満遍なく食べた方が健康によいと思うので、一通り興味が逸れたところで離した。
ちなみに子猫や老猫、体調の悪い猫が猫草を取り過ぎると逆に体調を悪化させる原因にもなりかねないため、注意が必要のようだ。
部屋に戻された風鈴は、すぐにけりぐるみをテシテシと蹴りながらいつものように遊び始めた。
もうしばらくは猫草よりも遊び相手の方が、風鈴にとっては必要なのかもしれない。
風鈴の鳴る日 庵野 彩雨 @annosau
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