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「それにしても制服とは、マジメちゃんだね。」

「やっぱりぃ、マジメですぅ」

 隆史を抹殺処理した涼子、それからみうは、同じように私を舐め回すように見る。ちょっと、恥ずかしいのですけど。

「あの、芦田さんがいつも来ている服と同じですよね」

「いや、違うんだよな」

「やはりぃ、学校の外ですぅと、印象も変わりますぅ」

 といいながら、ついに私の身体に手を伸ばす二人。

 そこに、健が口を挟む。

「あのさ、芦田さん、沼田さん。ゐすゞが着る服、選んでくれないか」

「「はい?」」

 二人がきょとん、とした目で健のほうへ居直る。

「あ、私、あまり都会のファッションなんか解らないので、教えてくれるかな~、なんて話していたの」

 そう私が言うと、涼子はぽんと手を重ね合わせる。合点がいったようで、こくこくと何度も頷きながら

「うんうん、白神さん。綺麗だから何でも似合うよ。さあさあ、行きましょ」

 そう言って、白神さんは私の肩に手を掛けて進み出す。

「そんなことないよ。白神さんだって……」

「かわいい服、いっぱい着せてみたいですぅ」

「着せ替え人形じゃないんだから」

 そういう私の顔は、少しほころんでいた。もう、何年ぶりだろうか。吉井以外の人が私にかまってくれるなんて。

「吉井も服、結構ダサいよ。そっちもいいの買おうぜ」

 隆史の言葉に、健は自分の服を確認する。

「俺、そんなに田舎者風なのか?」

「もちろんだよ」

「今時、シャツをきっっちりズボンの中に入れて、首の所までボタンをしている人なんて、都会にはいないですぅよぉ」

「そうなのか?」

 涼子とみうの指摘を受けて、健は首のボタンを外そうとしたのだが、。

「ま、吉井にはラフな格好よりそのほうが似合っているかもね」

という言葉を受けて、手を離す。

「とりあえず、テストも終わったことだし、ここでどうこう言う前に、羽根、伸ばそうぜ!」

「小田はいつも伸ばしっぱなしでしょ!」

 うしろから、ばしっ、と芦田さんに背中を叩かれる小田くん。その勢いのまま、歩き出した。

健も私も、その後を追う。

「みうも、行くわよ」

「はいですぅ」

 こうして、やっとの事で待ち合わせ場所から進み始めた。都会らしい楽しみ、を求めて。

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