第1197話「目線に合わせれば」

 慌ただしく城内を行きかう人の群れを縫うように人形は走りぬける。いかにして目的に辿り着くかを考えるかは術者にかかっている。

 意識は人形と連結しているからこそ、見えてくるものもある。

 それは、人形の目線と差ほど変わらぬ背丈の少女が目立つことだ。


 イリスも幼いように感じていたが、それを遥かに下回るように見受けられる。

 幼いからと言って仕事に不慣れな者ばかりではない。

 寧ろ年長者に負けていないのではないだろうか。

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