第1061話「身構えていても始まらない」

 この廊下を歩くたびに緊張で不安を感じずに入られない。

 俺がこの道をまっすぐ進まされているのも、全ては決定事項なのだろう。

 あえてここで踵を返したとしても、俺にとってデメリットしかないのだから最善の手を完全に先回りしている国王は預言者か何かなのかもしれない。


 この世界ではそれがありえると思えてしまうほど、オカルトじみた空気が漂っていることに違和感を感じなくなりつつある。

 しかし、それだけの力があるにもかかわらず本人が直接に行動を起こせないことに何かしら意味があると考えられる。

 まだ隠していることはあるということだ。




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