第1034話「知らないで、済ませるつもりはない」

 誰にも聞かれていないことを確認したうえで秘密を話すことは、選択の余地があることを暗に語っているのだ。

 それでも、断れないと思っての発言ではない。

 最悪知らぬ存ぜぬを通せば、なかったことにできると言っている。


 それは事実上、逃げ道はない。

 もうすでに答えは決まっている。

 もう、止まることはできないところに来ている。


「最初からそのつもりだったとは言わない。力を貸してもらう」


「できることは何でもします」

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