第1005話「違和感からくる不安と期待」

「ど、どうしたら……」


「呪いを解いてもらう。今俺たちのところにはお前にかけられた呪いで苦しんでいる女の子がいる。解呪できるのは術者であるお前が必要なんだよ」


「私が? ……思い出せない」


「どうした?」


「呪いを誰かにかけた記憶がないんです……。私が覚えていないうちに勝手に呪いをかけたような、気持ちの悪さを感じるんです。でも、私がかけた呪いなら解けると思います」


「本当にできるのか」


 俺は語尾を強めていった。

 嫌な感じだ。

 本人の知らないところで起きたことに違和感しかない。

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