第903話「裏も表もありはしない」

 辺りが次第に暗くなると、照明の揺れる光がまるで草木がなびくように路地裏を照らし出す。

 その光の数だけ人が住んでいるというのだから、この首都に集まり営む人数など予想もできない。

 どの程度管理できているのかも気になるところではある。


 それを確かめるのはいまではない。

 だが、此処は間違いなく裏であって表ではない。

 だからこそ見えてくるものもある。

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