第881話「二人取り残された」

年端もいかない少女を抱えてでてくることになるどとは微塵も思っていなかった。

 そもそもこんな結果は望んでいないといえる。

 できることならすべての人間の自由を勝ち取り、大手を振ってまかり通りたいものだ。


 夢物語だとわかっていても一人を連れ出し禍根を残してくるなどあって良いはずがない。

 それがおごりだというのだ。

 だれかから指摘されたわけではない。


 奴隷商人はいつの間にか目の前から消えていた。

 先導されて外に出たというのにおかしなこともあったものだと笑えない。

 何から何まで掌の上で転がされていたのだと改めて実感させられる。 

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