第868話「選ばれる人間」
再び操作をすると各部屋の奥から続々とあらゆる種族の人間が出てくる。
服装も特に華美ではなくとも質素ではない、
俺のイメージしていた奴隷とは明らかに異なっていた。
場合によっては街で生活している人たちよりも環境に恵まれているとさえ思える。
ここで見たものが真実と決めつけることも総計であり、奴隷の基準がここであるのかも甚だ怪しい。
確かめるすべがなければそれは一種の答えとさえいえる。
「皆さん、お客様が参りました」
奴隷商人が呼びかけると、自分の部屋から小部屋に移動してきた奴隷が一度椅子に座ると、正面に向か
って思い思いのアクションを起こす。
魔法が使えることを示すもの。
鍛え抜かれた肉体をアピールするもの。
歌を歌うもの。
何もせず正面をじっと見つめるもの。
「これは何をしている?」
「この中から気になったものと面談を行っていただき購入していただきます。各奴隷のプロフィールはこちらになります」
渡された資料は名前と売られた経緯などが記されている、
ぱらぱらと流し読みして分かったことは、やはりここにいる者たちは恵まれてなどいないということだ。
そして、映し出された中で他の選択肢を奪われる一角があった。
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