第751話「行きかう命の炎」

 無事にこの場を切り抜けたとしても、仲間の元に戻る為に数日程度。

 はたまた数年かかるか、わかりはしない。

 懇願してでも、元の場所へ戻してくれと頭をさげることも厭わない。


 それが最善であるのならば手段を選んでいられない。

 この状況に持ちこめた時点で俺は敗北している。

 あたりの風景が元の首都の街並みのままであることで位置関係が変わり映えのない事を錯覚させるが、脳裏には高速で移動し続ける無数の反応が見える。


 これは外界に存在する幾千の命である。

 知らなければ幸せだとはいえない。

 結果しだいなのだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る