第687話「甘く切なく染まれ」
「責任をとってもいいんじゃないの!? お兄さん!聞いてる、ねっ!? 聞いてますかー!?」
「聞こえている……」
「それで、どこに連れていってくれるの? 流石のあたしでも、これ以上ここにいたら面倒なことになることぐらいわかるから」
「ここまで来たら引けないよね」
「後戻りはできない。それでも、俺にできるのか……」
ほんの数時間でもと来た道を戻ることになるなんて想定していなかった。
勿論、着てきた装備を片手に戻るとも思っていなかった。
本来なら想定して然るべきことだったのだが、実際に装備は鞄にしまえずとてもではないがこのまま街を探索なんて出来はしなかった。
そこにまさかのバニティーの娘ときた。
鉢合わせだけは避けたいところではあるが、あえて元の宿に戻る選択をしたのはその不幸を避けるためでもあった。
バニティーにも目的があったのだから、そのままとどまっているとは考えにくい。
ならばと、招き入れた。
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