第661話「統治者の描いた世界」
これだけ人が多いとゆっくりと品定めなんてできはしない。
そう思っていたが、よくよく辺りを見渡してみれば店が賑わっているわけではないようだ。
それもそのはずで、皆が建物に入っていかないから街が人であふれているのだ。
飲食店の数も少なく、建物のほとんどすべてが住居であったり直接物の売買をする類の建物ではない。
先進国によくみられる構造になっている。
観光客のような装いの人間もいない。
「とりあえず、大通りに沿って歩いて行こうか」
「昨日は夜も遅かったから、御店が閉まっていたと思ったんだけど違ったみたいね」
「ここまで変わるとは思ってもいなかったわ。私が数百年前に来たときと建物も、人も全てが別の者に置き換わったみたい」
「流石に百年も経てばな。変わらないのは……。人?」
「昔は人間だけの閉鎖的な街でした。それが、多種多様な種族が当たり前のように見えます。統治者が変わったのかしら」
どうも読めない。
今まで、種族に関しては特に気にしていなかった。
召喚されてすぐ出会ったのもエルフだった。
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