第659話「わーい、人溢れてる」

 昨夜は武装した警備の者以外は一切出歩くものはいなかった街に、埋め尽くさんとする程の人、人、人。

 そこには賑わいに沸く光景が広がっていた。

 ここまでの人口密度は、元の世界でもそうはない。


「ニャー、なんか酔いそうにゃ」


「わからんでもないな。俺だって都会に住んでいたつもりではあるが、ここまでの人混みは見た事が無い」


「車もないし、乗り物の類は見当たらないかな」


「ただ人がいるってだけで飽きないね。これだけいろいろな人がいれば新しい出会いがあっても不思議じゃないよね。ダーリンならピンポイントに当りをひけるよ」


「その根拠は?」


「ダーリンが出会った人が運命の人になるってこと。どうかな?


「質問を質問で返すなよ。俺が白と言えば白になるなんて自惚れていたつもりはないんだが……。まあ、実際に良くも悪くもルナとこうして話している以上否定も出来ないってことか」


「そういう事」


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る