第638話「人間を捨てるには早い……」
流されるままというわけにもいかず、このまま動くことは出来ない。
今までの人生で培ってきた倫理観というものは、消えはしない。
別世界にきたから、理性を無くした獣のように振る舞えるかと言われればそうではない。
それをしてしまったら人ではない。
それを恰も人間の文化などと言っていた人間も過去にはいたらしいが、結局のところ理性が欠如した者の拙い言い訳であった。
知性はどこかにおいて来てしまったのだろう。
本能のまま生きるというのは楽しい事この上ないはず。
それは十分に理解している。
それでも人間をやめるにはまだ、俺は若すぎると思った。
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