第635話「誰も落ちない広さのベッド」

 このパーティーを越える部屋数があるというのに、誰からともなくこの形に収まっている。

 俺は一人シングルベッドの一番小さい部屋へ行こうとしたんだ。

 それにもかかわらず、寄ってたかって誰一人として止めるでもなく、寧ろ率先して俺を腕ずくでマスタールームへ連れてくるとベッドに放り投げたのだ。


 確かにキングサイズともなればそれ相応のサイズにもなるのだが、そもそも5人で横になることなど想定していないはずだ。

 大人二人でぶつかることなく眠れるサイズのベッドに、全員なんて無理だと言いたい。

 しかし、悲しいかな。


 何とかなってしまう。

 ならば、最早語るまい。

 余計な問題に部位あたる前に寝むってしまえばいい。


「まさか、そのまま寝るつもりじゃないよね?」


「だよな……」



 

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