第613話「星流を渡り抜け」

 川岸に辿り着いてみれば、ゆるやかに流れる水面が見まごうことなく揺れる月を映し出す。

 夜にここを渡らなければならないというのは、できることなら避けたいところではあったが言ってられない。

 幸いにも膝したほどしかない浅い水深なのは、澄み切った清流故に見れば一目でわかった。


「みんな……」


「大丈夫だよ」


「行くにゃ」


 誰一人として戸惑はない。

 

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