第588話「君は失った」
今すぐ何かが変わるなんてことはなかった。
時間だけが過ぎていく。
ディアナは俺に休むように言うと、返事を待たずに結界は張りなおす。
二重にする事で信頼が増すと言っても、今更場所の攪乱などしても効果は薄い。
ならばここは任せたほうが良いと判断した。
結局のところ、万が一の事態が発生した瞬間にならなければわからない。
無理をして全体の回復を図ったばかりに俺のミスで全滅させる結果を招くことになった場合、その責任をだれが背負う事になるというのか。
これから先一切休むことができなくなる可能性だって皆無とは言い切れない。
ならば、答えは簡単だ。
「一時間だけもらう。そのあいだだけ頼む」
「わかりました……」
返事を最後まで聞く前に眠りに落ちていた。
まるで強制的に眠らされたかのように。
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