第537話「奈落に落ちるは?」
ルナの着地がこちらからでも良く見える。
無事に向こう岸にわたることができたのを確認すると次にスペラが軽やかに後に続く。
ディアナ、ユイナ、それにバニティーも危なげなくやり遂げた。
残るは俺だけだ。
距離も思っていたほどでもないのだから、失敗することなどありはしないい。
ただ地面を蹴りだせばいいのだから不安なんてものはあるはずがない。
その場で地面を強く蹴った。
その瞬間だった。
足元は崩れ、俺の身体は失速してあとわずかというところで向こう岸に届かなかった。
(南無三!!)
割れた大地から空を仰ぎ見るように奈落へと落ちていく。
底がどれほど深いかはわからないが、このままでは間違いなく水面に打ち付けられてしまう。
死ぬことはないなどと楽観的に考えていられるのは、身体が耐えられると理解しているからである。
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