第500話「記念すべき初海突入一歩前」

 目の前に広がる広大な海原は見渡す限り、彼方の対象を除けば遮るものなど何一つとしてないというのに近づくことすら容易ではない。

 陸地続きではないならばそれは向こう岸へと渡ることができず、歯がゆい思いを抱く羽目となっている地割れとさして変わりはしない。

 寧ろ呼吸が出来ない環境下で敵と対峙せねばならないとするならば、余程不利であり危険だけがただ付きまとうのだから危険だけが増す。


「ユイナ、向こうまで飛んでいくことってできるか?」


「行くだけならできるかな。帰ってこられる自信はないけど、それでも行くならアマトだけなら連れて行ってあげられるけどどうする?」


「近くまで行けたからどうするってわけでもないんだよな。目的はあくまでもあそこに割って入る事であって突っ込んで終わりってわけにはいかないんだよな」


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