第474話「ようやく海というわけだ」
徐々に視界も良好になってきているがそれでも隣を歩くユイナの表情がわかる程度でしかない。
それでも全くと言っていいほど周囲がわからない状況に比べれば幾分もましになっている。
このまま完全に晴れ渡るまでに先手を打ちたいところである。
俺たちは東に向かって次第にスピードを上げて一気に走り抜けようとした瞬間、後方数十メートルに先程同様の爆発音が響き渡る。
落下した地点はここから北西という事から落下地点が南から北へと移ってきているようだ。
このままやり過ごせれば問題を先送りするだけとなることも考えられる。
「あと少しで海に辿り着く。スペラ、ここからは撃ってる奴もいるはずだ。見つけ次第教えてくれ。各員警戒を厳に、些細なことでも見落とさないように頼む」
「「「了解」」」
海までの距離はもう数百メートルというところまで来ている。
海から陸に向けて砲撃ならば、陸に何かがある可能性が高いことは容易に想像がつくのは誰もが同じであるからこそ、誰も俺の言葉に疑問はなかった。
それでいてこの緊張感は経験を重ねることで日に日に増している副産物の一つというわけだ。
ざわざわと騒がしい音が聞こえてくる。
思わず、ため息が出る。
わかっていたが、どうやらバカンスとはいかないようだ。
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