第396話「充実日々よ」

 時間が経つのが早いのか遅いのかわからない。

 それが自然と口にできるというのだから、確かに何かが変わったのだろう。

 

「今日でこの世界に来てから一週間かぁ。短いようで意外と毎日充実してた気がする……。もう、一年いや、数年は経ったような気さえしてくるから不思議なんだよな」


「私も同感。こっちに来てから、違った? 生まれてから十数年しかたってないけど、ここ数日はその数百倍は時間が経つのが早かったって思ってたところだよ。元の世界に帰るのも案外早いかもね」


「……。ああ。そらぁ、そうさ。明日、ひょっこり元の世界に帰れるなんてこともあり得る」


「楽しみにしてるからね。戻ったら………。その時考えるかな」


「その時は任せろって!! この世界から帰れるってことは、もうなんだってできるだろ? むしろ出来ないことを探す方が難しいってくらいだろ。さあて、7日目の旅を始めようぜ!!」


「始めよー」


 ユイナが俺のテンションに乗っかってきたことに内心で、興奮がこみ上げてきてることを拭いきれない。

 これは何て充実した日々なんだ。

 異世界でなければとは言っておきたいところではあるのだが、今はどうでも言い。   

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