第362話「スペラの行動規範」
一人身動き一つできない今だからこそ落ち着いて物事を考えられる。
人というものはどうしてこうもその場面、状況というフィルムの一コマでしか物事を考えられないのだろうか。
スペラも誰から強制されるでもなく、自発的にでもなく一種の結末によりこの一時を手に入れたにすぎない。
普段は暴走機関車のように止まることを知らず、自分の定めたレールを一途に突き進んでいた。
駅が有ろうと停車するつもりもないというのが性分なのだが、外的要因と自分がひいたトリガーにより貴重な時間の狭間にいる。
「バニティー……。あいつ殺すにゃ……」
スペラはその獣特有の本能とも勘ともいえる感覚が標的を定めていた。
それも共に行動している依頼人兼鍛冶師にだ。
アマトの害悪とあらばそれが誰であろうと容赦するつもりなどなかった。
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