第334話「一歩ずつ前へ」

 それもそのはず、順当に進んでいるからといって足場の悪さも目的地までの距離が近くなることもないのだから。

 幸いにもアビリティによってある程度の位置関係を把握できるため同じ道を行き来しているわけではないことは把握している。


 人間だれしも終わりのない道を歩み続けるのは不安であり、疲れもする。

 地図を持たない者が樹海にでも迷い込んでしまえば、あるいは。

 それでも、今確実に前に進んでいるという確信が持てれば状況は一転して好機に転ずる。


 人生そのものが良い例であろう。

 終わりは見えないが時間と共に確実に前に進み、過ぎ去った時間は良くも悪くも過去になる。

 



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