第329話「完全であるが故」
まだこの世界の事をてんで理解していないのだから、博打を打とうなどとは思わない。
失った命は戻らない。
タミエークで経験したからこそ死というものが身近に感じる。
「バニティーここに俺たち以外の人間が立ち入ることがあるのか? 痕跡が一切ないってのも不自然じゃないか? 動物、鳥、虫、モンスターとあげればきりがない程生き物はいるってのに、この辺りはまるで一度も踏み入れたことがないみたいじゃないか」
「言われてみればそうだが。言われるまで特に気にもしなんだが」
何かあったのは間違いないと思う。
それ以上の事は何もわからない。
結果がどうであれ進むしかない。
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