第312話「シュレディンガーの猫」
スペラをベッドに寝かせ、バニティーと情報交換を一通り済ませた。
この間にもスペラが目覚めてくれればいいと願っていたものの思いのほか、深い眠りに落ちていたのか兆しが見えない。
そもそもこの度に明確に決まったリミットはないのだから急かす必要性などない。
早く辿り着いたから救えた命もあるだとか、この足止めにより誰かの危機的状況に遭遇し助けられた命があるだとか。
全ては思い返して初めて確定する現実であり、まだ不確定なうちから思いをめぐらしたところで何かが変わることではない。
現に先程のトラブルを未然に防いでいれば、俺達がここに来ることもなかったかもしれない。
だが、ここにたどり着くまでにもトラブルの種は無数にあったのだから別種の厄災に巻き込まれ今この時へと収束していたとも考えられる。
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