第303話「夢の中の俺って」

「アーニャ……それは食べられないにゃ……むにゃむにゃ」


 俺の背中でよだれを垂らして寝ているスペラの夢の中の俺は何かとんでもない物でも食べているらしい。

 ルナと、ディアナも未だに睡魔から解放されていないようで足元がおぼつかない。

 俺も時折視界が大きく揺さぶられたかのようにぶれる。


 幸いにも背中の少女は軽く背負ってはいるものの負担になることはない。

 それも生きている人間だからであるのだが、それは今はまだわかるはずもなかった。

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