第249話「空腹」

 もうどれくらい歩いたのだろうかと、何気なく時計を読む。

 すでに昼の12時をを廻っている。

 道理で空腹を感じているわけだ。

 

 イライラしていたのも朝食もろくに食べることなくすぐに、目的地を目指すことを優先した結果だ。

 宿での食事を除けば携帯食料で済ませてはいたものの万が一の時に備えて温存していたのが、こんな形であだとなるなどとは思いもしなかった。


 もともと人間は一日一食の食事を必須とし理想は二食と言われている。

 昨今では三食食べる習慣が出来上がったが、それは人工的に明かりを作り出すことで活動時間が長くなったためだという。


 つまり、動き続ける為にはエネルギーが必要であることを空腹というシグナルで表現しているのだ。

 俺の場合もモンスターを吸収したにも関わらず空腹感は無くならなかった。

 生命の維持と身体の維持とはくくりが違うのだろうか。


 自分自身の事なのに何一つとして、明確な答えは出すことができずあくまでも仮説の域を出ない。

 

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