第215話「以心伝心?」
「あんまりいいものじゃないけどな。それにそのまま戦ったら勝てたかどうかも怪しいときた。得られたものも少なくなかったから結果としては戦ってよかったんだけどな。まあ、結果論だ」
「手なずけるだけの力があるってことを示してきたのでしょう。敵はアマトさんが思っている以上に狡猾ですよ」
「そうかもな。俺も何度かあってるはずだが、何もかも計りかねてる。どんな手を使ってくるかもわからないなんて不気味で厄介な事この上ない」
「ミャーが見つけたら八つ裂きにするにゃ。アーニャは後ろでどんと構えていればいいにゃ!!」
「そうもいかないって言いたいところだがスペラも頼りにしてる。無茶しない程度に力を貸してもらうさ」
「合流できたのは良かったけど、村はもうなくなっちゃったしこれからどうするのアマト?」
「ディアナを近くの人里へ送り届けないといけないな。このままおいて行くわけにもいかないだろ?後のことはそれからでも遅くない」
「そのことなのだけれど」
「どうした? 心配しなくても途中で放り投げたりはしないさ。スペラが世話になったんだ。気にしなくてもいい」
「私を貴女のパーティーの末席に加えていただけないかしら。力になれると思うのだけど」
「ディアナは目的があったんじゃないのかにゃ?」
「目的?」
「ええ。主を探しているの。必ず見つけ出して合わなくてはいけないのだけど主の事は何も覚えていないのよ。重み出す為にあらゆる方法を試してみたけれど、主によって記憶が封印されていてもう打つ手がないと思っていたのだけれど、そんなときに貴方たちに出会えた。主を見つけられるのであればそれでいいの。そのためには私の全てを貴方に捧げます」
「俺は構わないんだが……」
俺はユイナ、スペラ、ルナと順に目くばせをした。
三人とも何も言わない。
既に結論は出ていた。
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