第194話「一難去って地が固まる」
二人は並んで月明かりの元、離れ離れになった仲間を目指して歩き出した。
身体はけだるげで意識が取り残されるような感覚が襲う。
本当ならば一刻も早く合流を果たすべく駆け出していただろう。
しかし、それを許してはくれない。
目先の脅威が去った今であれば急ぐ必要もないという甘えがあるのも事実なのだが、三人の気配がある一点を中心に動きがみられないことでより一層足を重くした。
安堵していたのだ。
ユイナが二人に合流したのだから、急ぐ必要もない。
置き去りにしたことへの罪悪感よりも、生きているという事がわかったことへの安心感の方が強い。
軽蔑されたとしても甘んじて受け入れられる。
それくらいには信頼しているの。
「アマト君は気づいていたと思うけど、この辺りは周囲から観察されていたよ。7つの何らかの集団に属する者が空から確認できたけど、実際に動きを見せたのはさっき相手をした者だけ。結果を見届けてみんな元の居場所に帰っていったみたいだけど」
細かく聞いておきたい。
「正体までわかれば教えてほしい」
「ごめん、詳しくはわからない。種族や衣装からの推測で照会したわけじゃないからね。それにボクもこの世界での知識はそう多くはしらない。ルナの人生経験も長くなかったからね」
「そうか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます