第139話「戦利品回収」

 傷の治りが早くとも疲れまでは回復することはなかった。

 失ったものに対する対価が何かというのもきにはなるのだが、現段階ではそれを知るすべはない。

 今は身体の心配などしているばあいではない。鎧が現れた方角は俺たちがこの村に着た方角と一致するのだから、まずは脅威に体いての対策をしなければならないだろう。


 俺は体がだるいのを気力で振り払い周囲に意識を集注する。

 そこには先程鎧が握りしめていた鑓が地面に転がっていた。あれだけの攻撃を受けつつ、電気を帯びても全く痛んでいないところを見るとそこそお名の知れた名鎗なのだろう。


 武器の類をもっていないルナにでも渡そうと思い、回収することにした。

 自分で使おうとは思わなかったのは扱いの難しさによるところが大きい。素人では扱いが難しいのだが、素人でも数をそろえれば形になるのも鑓の好いところでもある。


 要は誰でも使えるが本領を発揮することの難しい武器の一つだという事だ。

 悪魔と言えば鑓と勝手に想像していたのだから、直感的に誰に渡したらベストなのかなど考える必要もそれほどなかった。


 

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