40_小指の花

彼女の右手の小指には、一輪の花が咲いている。小さな薄紅色の花だ。


彼女は、ペンを持つ時やカップを持つ時など、何かにつけて小指が立っているからに、余計にそれが目立っていた。


しかし夏の終わり頃、小指の花は散っていた。


関係ないかもしれないが、噂では彼女は失恋したらしい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る