第302話・可能性とのこと
オレの作戦はこうだ。
ビコウの義兄であり、ボースさんの実弟である
その中に今回の事件における被害者の名前があれば、ニネミアがそれを事前に知っていたということになるのだが、
「逆に****がNODのビーターだったことにたいする可能性はどうなの?」
ジンリンが指を二本立てて言う。
「その可能性も視野に入れる」
そもそもニネミア自体がビーターじゃないと、ほかのビーターのことなんて知らないだろうし。
とはいえ、お願いするとなれば、それ相応の対価が必要になってくるのも必然か。
「依頼金いくらだろう」
「それに関してはご心配なく」
オレが懊悩としていると、シダさんが口をはさんできた。
「なにか得策でも?」
「いえいえ、得策もなにも、いくらムッカが玉帝の息子だとしても、以前起こしたことに関して処罰
受けている最中でしてな。こちらの指示に従わざるを得んのですよ」
「でも、そもそもシャミセンが考えている作戦というか、賭け事って――NODのスタッフだったら誰でもできるんじゃ?」
限りなく成功する可能性が低いと思っているのか、ナツカは嘆息を吐いた。
たしかに、データのバックアップを取っていればセーフティー・ロングに残っている場合がある。
「ですが、さきほどシダさんが言っていた通り、テストプレイヤーのデータはすべて削除され、参加されていた人のアカウントデータがふたたび作成されているわけですから」
というジンリンの言葉が正しければ、個人情報保護法にもとい、その時のデータ自体を消しているはずだ。
そしてなによりも、本来ネットゲームというものは匿名を用いるからこそ、オフ会を開かない限りはプレイヤーの本名を知り得ないことが多い。
だが、ムッカがNODで仕出かしたことは、もともとビコウをはじめとした星天遊戯のスタッフが消したはずのデータを、ムッカが会社のゲームサーバーからサルベージして、NODにぶちこんだのだ。
つまり、データを消したと思っていても、実際は消えていなかった――ということになる。
まぁ、こんなことを考えるキッカケになったのは、言うまでもなくムッカの高いハッカー能力にあるんだが。
ここでひとつ疑問点ができており、オレは
「……っ! ――俺がどうかしたんですか?」
その視線に気付いたヒロトが、虚を衝かれたような声をあげる。
「いや、ヒロトがNODが最初から用意していたNPCだとしても、やっぱりシステム的に魔法盤が使えるのはあくまでプレイヤーだけ――ですよね?」
チラリとシダさんを見据える。オレの言葉に対して答えるようにうなずいてみせた。
「βテストに参加したプレイヤーは、テスト期間を終えるとそのデータはこちらがしっかりと削除していたはずだ。そのときのプレイヤーにはサービス開始と同時に新たにアカウントデータが作成してもらっている」
「……そうか! ヒロトもボクと同じように意識だけがNODにデータとして保存されていたとしても、彼はそもそもβテストに参加していたプレイヤーとしてだけだったら、しっかりと削除されていればNODサーバーに存在していない」
ジンリンがハッと声をあげた。
「そういうこと」
VRギアのテスターだった漣が、データとしてNODサーバーに保存されていたのは、彼女のデータがスタッフですら気付けない深遠にあったからだと思う。
だがヒロトは本来消されているはずのテストデータであったにもかかわらず、こうして存在しているのだ。
つまり、βテスト時のプレイヤーデータが完全には削除されていないという証拠になる。
「だけど、ひとつ疑念が残るわよ。いちおうジンリンがNODのベースとなっていたサイレント・ノーツでのトッププレイヤーだったとしても、結局はその時のことでしょ? ビコウから聞いた話だと、そもそも彼女がデータとして生きなければいけなくなったのはVRギアそのもののテストプレイの時だったみたいだし」
「もしかすると、そのテストの時にゲームサーバーの中に人の記憶や人格を保存できるかっていう実験を、玉帝やムツマサさんが知らない中で実行されていた。その実験の最中、完全に成功していたのがジンリンで、自分の名前以外を覚えていないという中途半端な結果がヒロトだった……というのは」
「人を実験材料みたいな言い方をしないでくださいよ!」
ヒロトがあわあわと口元を震わせながらオレに睨みを効かせてきた。
いや、仮令としては当たっていると思うんだけど。
「ですが、星天遊戯におけるマミマミもそれに近いものがあるかと」
「もしかしたらですけど、マミマミは人間の魂をデータ化する方法を知っていて、それを反映させるテストをしていたんじゃないでしょうか?」
荒唐無稽なことかもしれないが、そもそもマミマミ――ロクジビコウと対峙したのは彼女がこの世からいなくなってからだ。
考えとしては――、
「もしかすると、データ自体はコピーされていたってことになる」
こうすれば、彼女の思考を持ったNPCがいくらでも作り出せるってことになるんだが、考えようによってはすごい気持ち悪くなってくる。
これって、言い方を変えれば自分が何人もいて、死んでもまた変えがいるってことだからな。
「――コピーされていた?」
俺の言葉に、ヒロトがけげんそうに唸った。
「VRギアの特徴で、感情を読み込むことでステータスに変化をもたらすという機能がある。それと脳波だけで機械を動かすことができるBMIを使えばってことになるけど」
「つまり、プレイヤーの行動パターン――というよりは行動心理をギアに記録させ、それをNPCとして反映させているということ?」
ジンリンが、眉唾物を見るような顔で首をかしげた。
「オレ自身、ケツバのところでドッペルゲンガーと勝負しているからな。それ自体はイベントかなにかとして考えられていたのかもしれない。ジンリンみたいに生きていたころの記憶すべてを持っていることはマレかもしれないが」
プレイヤーの行動くらいはいくらでも反映できるだろうし、ユーザーの好みで番組録画をするっていうHDDレコーダーもあるくらいだ。
スポーツの世界においても、データを取って対策を研究する場合もあるし、それがゲームの中にあっても別に可笑しいことじゃない。
「行動パターンの記憶化は無理じゃないというか、結局は蓄積されたデータから反映させたに過ぎないからね」
ナツカはそう口にしてから、
「というかシャミセン、あんたビコウが星天遊戯では素でレベルマックスなのは知ってるのよね?」
「んっ? まぁケンレンからそういう風には聞いているけど」
素で――というのは、課金せずにレベルを上げていることを言う。
つまりEXPポーションのような、初心者プレイヤー救済アイテムを使ったとしても、それは初期だけのことで、それ以外は課金アイテムとして販売される仕様のようだ。
それを使わずに、ただ純粋にモンスターやプレイヤー間での決闘などで得た経験値だけで成長させることを『素で育てる』というらしい。
「それがどうかしたのか?」
「いやまぁ、あの子だからこそ出来る芸当というべきか、納得してしまうというか」
「どういうことですか?」
ジンリンが首をかしげるように、ナツカを見すえた。
「ビコウのアバターって、基本的にはサービス開始どころか星天遊戯のβテストの時から使っているんだけどね、あの子、星天遊戯にでてくるMOBの攻撃パターンとか全部憶えているのよ。まぁそもそもスタッフとしてバトルデバッグをしているからってこともあるんだろうけど」
「それって聞きようによってはビーターよりも
肩をすくめるようにジンリンが言ったが、
「それはあの子自身わかってることだからね。別に悪くはないんだけど、あの子自身他のプレイヤーからバッシングされるのが嫌だから、課金だけは絶対にしないみたいなのよ」
「一種の
まぁ、モンスターの行動パターンを熟知していて、なおかつ対処法も知っているってことは、言い返せば、別に課金しなくても勝てるよね? って言っているようなもんか。
【四龍討伐】も、無課金プレイヤーのレベルに応じてクリアできるように何度も調整しているあたりは、プレイヤー寄りの運営思考とも言えるだろうけど。
「だからこそ、課金で強くしている私やケンレンが素のあの子に勝てないって思ってるところもあってね」
ナツカは別にいやそうな顔は見せなかった。
まぁ前に初期の魔法文字で使用できる武器を調べ尽くすあたり、こういう地味な作業は好きそうだとは思っていたし、星天遊戯でも魔法スキルや体現スキルを熟知している節があったから、その対処法も知っているってことか。
「相手の実力を知っていると、むしろ課金とかでズルして育てている自分たちが情けなく見えるってわけか」
「そういうこと。ちょっと売れたくらいで天狗になっているアイドル|より、地道な努力で天辺に上り詰めたアイドルとじゃ、本当の意味での人気の差も実力も違うってことよ」
そうは言っているけど、ナツカはナツカでちゃんと白水さんや双子、アレクサンドラさんといったギルドメンバーから信頼はされている気がするが、あまり言われたくないだろうから、口にしないでおこう。
「とにもかくにも、プレイヤーの行動パターンを蓄積させて作られたNPCがヒロトってことになるのか」
それでどうして魔法盤が使えるのかってことになるんだけども。
「まぁここまで荒唐無稽な話をしているんだが、その当人はどんな気持ちなのかしらね?」
ナツカはヒロトを一瞥した。
「す、すみません……じ、自分のことなのにあんまり実感がなくて――」
困惑した声でヒロトは顔をうつむかせた。
「まぁ、すぐに理解しろなんて酷なことは言わないけどね。ボクだって今は理解しているというかまぁなっちゃったものはしょうがないかくらいだから」
ジンリンがカラカラと笑うのだが、当人はお前みたいに強くはないと思うぞ。
「……でも、俺がこうやってNODの中に閉じ込められているってことは、現実だと――ってことになるんですよね」
頭を振るいながら、悩み疲れたかのように脆弱した表情でヒロトは言った。
「運営スタッフとして申し訳ないことをしているとは思っている。しかしその方法がわからない以上は」
「いや、
オレは三本指を立て、シダを見据えた。
「殺害方法をご存知だったのですか?」
シダさんが恐懼するように声を荒らげた。
「魔女はターゲットに選んだ重課金プレイヤーのVRギアにアイテムという形でウイルスをしこんでいた。そのウイルスが起動し、VRギアのシステムを全部壊すということは、二度とそのVRギアでゲームができなくなってしまう。重課金プレイヤーはそれによる精神的ショックで心筋梗塞や、生きる希望をなくしたことによって自殺を
「そ、そんなことで? だ、だって高がゲームですよね? どうしてそんなことで命を捨てられるんですか?」
ヒロトが唖然とした声をあげる。
この反応からして彼は課金をあまりしていないというのが見て取れた。
「私も課金はしているけど、私生活に影響を与えない程度だから気にはしないけどさ。そのゲームに何百万も費やしたプレイヤーにとっては取り返しようのない損失でしょうね」
現実問題、いまだにこの事件がおおやけに大事として広まっていないのは、一縷に自殺したプレイヤーとNODにおける関連性が立証されていないかららしい。
まぁ、そもそもの話、ゲームの中で殺されたなんていう荒唐無稽な話を当事者以外の誰が信じるのかって話だ。
「ちなみに星天遊戯でどれくらい課金してるの?」
「
月二千円って、ちょっとした携帯の月額サービスを払っているくらいの気持ちなんだろうなぁ。
学費の40%をバイトの給料で納めているオレからしたら、千円でも辛いけど。
「それって、課金って言うんでしょうか?」
「いや、実際のお金を出しているから課金でしょうよ? っていうかね無理のない課金だって結局はお金を出しているわけよ。無料ゲームって謳っているのに課金しないとゲームがクリアできないみたいなことはビコウ自身が嫌っていたからね」
セイエイや双子、綾姫やハウルみたいに高いお金を出せないプレイヤーが不利にならないようにしているのはそういうことか。
「そういえば、前に課金で強い武器を手に入れたのに、まったく強くなれなくて自殺した人がいたって言う例え話に、ビコウさんはすごい苛立ってましたしね」
その時のことを思い出したのか、ジンリンが肩をすくめた。
「というかビコウさんやセイエイさんは単純にプレイヤースキルで強いんだと思うけどなぁ」
「まぁ、あの二人はeスポーツの選手みたいにゲームでお金を稼ごうなんて思ってもいないし、そもそもゲームは楽しむものって根本的なものがあるから」
だからこそ実生活に無理のないようにしているってことか。
「あの、ナツカさんは社会人ですよね? どうしてそんなに安いお金でゲームができるんですか? というか強いんですか?」
ヒロトの言葉に、ナツカは、
「逆に聞くけど、量販店で購入したパソコンの中にピンボールのゲームアプリがプレインストールされていて、その追加コンテンツを有料で買わないといけないからって、課金する人がいると思う? それにはまっている人ならまだしも、今の世の中ちょっとした工夫でタダで手にいれられる場合もあるのよ。データの抜け道なんていくらでもあるんだから」
と言い返した。
「あ、あまりP2Pみたいなことはしないでほしいのですがね。うちはVRMMORPG以外にPCやスマホ専用のDLゲームの販売や配信をしていますから」
「そういうのって大容量データが送受信しやすくなったことにたいする代償だと思うしかないと思いますよ。まぁネットだとDL中にウイルスに感染する心配があるから、直接ファイルが保存されているマイクロSDからコピペさせてもらってますけど」
シダさんがひきつった笑みを浮かべ忠告をしたが、ナツカはさらりとかわす。
「そもそも[ネットワーク]っていうのは[網状の組織]って意味があるから。どこかしらにかならず綻びはあったと思うわよ」
話を聞いていて、以前ビコウが似たようなことを話していたことを思い出す。
たしか、悪行を繰り返す人は法という網目の解れを狙うことが多いって話だったな。
んっ? まてよ……、たしか【四龍討伐】の時や、オレが盗られた紫雲の法衣を奪い返そうとロクジビコウがいたサーバーに向かったわけだけど、その時にヤツがいた場所って――。
オレはひとつの仮説を思い浮かべるや、顔を震わせた。
「インターネットは個々(ネットワーク)の間(インター)を繋ぐって意味だから、これも言い換えれば[網]ってことですか」
シダさんの言葉に、
「ちょっと待ってください」
オレはけげんな顔つきで首をかしげた。
「どうかされましたかな?」
突然のことで、シダさんが目を見開く。
「いや、ロクジビコウ――マミマミがしたことを考えると、そもそもサーバーはVRギアからのネットワーク以外は運営側のPCとのネットワークしか繋がっていないはずじゃないか?」
「まぁ、普通はそうだろうね。NODは私たちが普段使っているVRギアでしかログインできないわけだし、運営は運営でパソコンや特注の機械を使ってアップデートや調整をしているはず――んっ?」
ナツカが片眉をしかめる。
「どうかしたんですか? 二人して」
ヒロトが、困惑した顔つきでナツカやオレを見渡す。
「いや、ちょっと待って――たしか前に客から遠隔操作をされていて困っているってサポート課の同僚からクレームがあったって話があったのよ」
「ウイルスにかかっているってことか?」
「そんなに深刻な問題じゃなかったから心配しなくてもいいわよ。これってネットワークでつながっている今の家電機器だと当たり前のことだし、そのクレームを言ってきたのは六十代くらいの人だったのよ。まぁもともと家族の人が部屋に備えていたウェブカメラを通して、その人の生活を監視していたってのが理由みたいだけど」
ナツカの説明に、
「六十代の人を監視って」
と、ジンリンが肩をすくめるように言った。
「いや、どうもその人が若年性アルツハイマー病になっていたみたいでね、奥さんを亡くしてから一人暮らしだから、心配した家族が防犯用につけていたみたいなのよ」
「監視されている方からしたらたまったものじゃないけど、アルツハイマーだとそうは言ってられないってことですか」
ヒロトがはて……と、口元を隠すように手を覆った。
「ちょっと待ってください。つまりそれって外部から部屋の様子を見ていたってことになるから、それと同じで外部から運営のPCを遠隔操作していたっていう可能性は?」
「ネットワークを接続されているものだったらできなくもないですけど――防犯上社内とゲームサーバーを管理している
シダさんはそこまで言ってから、アッと目を見開いた。
オレはその言葉に、それこそ追い打ちを掛けるように、
「シダさん、そのネットワークって、日本サーバーが管理しているゲーム以外でしかできないんですか?」
そう問いかけると、シダさんは眉間にシワを寄せた。
「いいえ、中国にあるセーフティー・ロングの本社のメインサーバーからと、日本サーバー、韓国サーバー、アメリカサーバーを使って経由することは可能です」
その言葉に、ナツカは腑に落ちない顔で、
「でも、NODは日本サーバー限定のゲームでしたよね? ほかの地域からはログインができないはずじゃ?」
とオレの意見に対して言い返した。
「接続時の時にプレイヤーのネットワークIDを検知して、日本以外だと弾く仕様にはしていますが、それを抜ける方法はいくらでもありますからね」
シダさんは肩をすくめる。
いくら運営がセキュリティーを強化しても、ハッカーはそれを打破するのをやめない。
言ってしまえば、それこそイタチごっこでしかないが、それはあくまでプレイヤー間でのネットワークだ。
ニネミアはそれ以上の、運営側に近い方法を使っていたということになる。
「***が思っているのは、それがパソコンとかで不正にアクセスされていないかってことでしょ?」
ジンリンが四本指を立てながら、オレにたずねた。
「あぁ、VRギアを通じて色々なことをやっていたとしたら、そもそもそんなアプリケーションをゲーム中に使えたのは運営側の人間でしかできないはずだ。魔女があくまでプレイヤーと同じ立場っていうだけなら、そもそもVRギアを使ってハッキングなんてできないはずだろ?」
「たしかにVRギアを通してならば、不正アプリを使うこと自体ができませんからな」
「んっ? ちょっと待って、ギアからできないってことは――消去法として考えられるとしたら……」
ナツカが、それこそむずかゆそうな表情を見せた。
「運営側のパソコンをハッキングして、NODにちょっかい出しているってことだよ」
オレが断言するや、ナツカは――、
「可能性としては、ソッチのほうが現実的か」
とうなだれた。
「あの、すこし気になったんですけど……、そもそもどうしてNODは日本サーバーだけでの運営なんですか? 他の地域とかでも大丈夫だとは思いますけど」
ヒロトがけげんな顔つきでシダさんにたずねた。
「まぁお国柄を考えてでしょうな。NODは魔法盤に刻まれているアルファベットを使って、認識された英単語が魔法や武器として使用することができるのはみなさんも知っているでしょう」
シダさんがそう説明するのだが、ヒロトは納得していない様子。
「つまり、英語を普段当たり前のように使っている米国に住んでいるプレイヤーにとっては魔法文字での文字制限はネックにもならないし、中国と韓国はそれぞれに母国語があっても日本以上に英語を使っているからね」
ジンリンの一言で合点がいったのか、ヒロトは、
「つまり英語を日常的に使う機会がほとんどない日本だと、魔法文字で無双して運営泣かせになることがあまりないということですか」
と手を叩いた。
「そういうことですな」
「はて、それって遠回しにバカにされているような気が――」
「まぁそこはしかたがないんじゃない? プレイヤーのほとんどが君みたいな十代から二十代。日本人って英語とかは学校で習っているかくらいで、日常的に会話として使っている人はあまりいない気がするから」
ナツカが苦笑を交えるように肩をすくめた。
「そういえば、***って英語苦手だったよね?」
何を思ったのか、妖精がそんなことを聞いてきた。
オレは、それを黙って聞き流す。
「黙秘は肯定って昔から言うんだけどなぁ?」
そんなオレを見て、ジンリンは嘆息を吐くのだった。
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