第10話 峠

 自転車で坂道を登っている。

「あと少しだから」

「あのカーブを曲がったら下りだから」

 何度その言葉に騙されただろう。足をつきたいのを堪えてなんとか登りきる。

 気がつくと私は病院のベッドで寝ていた。

 友人が私の手を取り必死に言葉をかけている。

 どうやら峠を越えたらしい。

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とある高校自転車部の日常 楠樹 暖 @kusunokidan

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