身に迫るリアリティ。あなたならどうする

高額なビザを購入しない限り、70歳で「定年」を迎え、安楽死させられる社会。それが当たり前の世の中を生きる主人公は17歳の青年。そして、幾子ばあちゃんは定年間際の69歳。

この毒舌ばあちゃんが、実在するんじゃないかと思うほどのリアリティーと説得力を持っている。
まだ青い我らには、ばあちゃんの意図するところのすべては分からない。けれどもきっと、分かる日が来るのではないかと思わせる深みがある。

この短い話にここまで考えさせられるとは。扱うテーマの割に重苦しくなく、ばあちゃんの痛快な人柄ゆえかサクサク読めてしまうのも素晴らしい。是非読んでみてください。

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