第40話 距離感不明

 ADHDもそうですが、アスペルガー症候群も相手との距離感というものが非常にわかりにくいという傾向があります。



 よく「冗談が通じない」と言われますが、まさにその通りで軽いジョークですら本気で侮辱されたような気になります。

 これに「空気も言葉の裏の意味も分からない」が加わると会社に1人はいる「気難しい同僚や上司」が出来上がります。


 私も第三者のことを言ってる分には大体の距離感は分かってる……と自分は思っていますが(あるいは自分に関係のないことだからと冷めた目で見ているだけかもしれません)自分の事となると途端に距離感が分からなくなってしまいます。


 職場でちょっとからかわれただけでも表には出しませんが、内心では火山が噴火したかのような怒りを感じています。特にイジリはダメですね。表だって怒り狂うことはしませんが心の中ではもう大噴火ですわ。


 何故俺の事をそんなにバカにするんだ!? そりゃ俺は仕事は出来なくてミスばかりする駄目な先輩だけど(自慢にならんが)お前らだってミスの一つはするだろう!? と怒鳴り散らしたくなることもあります。



 そもそも人をからかうこと自体に何の意味があるんだろう? あの時の茶化しはどういう意図で吐き出したのだろう? と、真剣に悩んで結局答えが出ないなんてこともしょっちゅうあります。


 完全に納得はいかないものの、一応はストレス解消と人間関係の潤滑剤という目的があるのだという事にしていますが、正直無駄な部分であるという感覚は否定できません。



 ADHDの人も適切な距離感という物が分かりにくく「1歩踏み込むことを許したら普通は半歩踏み込むところを3歩も踏み込む」と言われるくらい必要以上に踏み込んでしまうため対人関係がぎくしゃくしてしまうことが多いそうです。


 実際私もツイッターで知り合ったばかりの人に急に踏み込み過ぎて疎遠になっているケースもしばしばあって「あ~あ失敗しちゃった……」と落ち込む日々を送っています


 ちなみに精神的な距離感が分からないというケースと共に、物理的な距離感も分かりにくい人がいるようで、対面する場合健常者からすれば近づきすぎて威圧感を感じるという位、距離が近い人もいるそうです。


 実際研究によるとアスペルガー症候群が所属する自閉症スペクトラムを患っている方は、パーソナルスペースと呼ばれる「他人が入ってきたら嫌だと感じる距離」が健常者よりも短いそうです。

 そのため近づきすぎてしまうことが多くみられるそうです。科学的に実証されてるんですね。

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