6話『ガチャ』
《
各々役割があり、本部では主にクエストの受注が行われる。
その他にも本部は待ち合わせなどによく使われるため、酒場等も常設している。
マナさんから、《
「もう傷は大丈夫なのか?」
「エンジュが治してくれたから、問題ないよ」
そういってライルは傷口を見せてきた。
傷口は完璧にふさがりもう何の心配もなさそうだった。
「防具も同じやつを二つ持ってたから問題ないよ。それで結局、《
「見ろ!」
俺は自慢げに《
「でも、本当にいいのか?何にもお礼しなくて」
「僕とリビの仲だからね。問題ないよ」
「……」
「あれ?カッコよく思われるはずが、若干引かれてる?」
「俺、男は無理だからな?」
「なんか、酷く誤解されてるんですけど!?」
そんな会話をしながら俺は水を、ライルは《
「《
「見た目はあれだけど結構美味しいよ」
そういってライルは運ばれてきた紫色の液体を飲んでいる。
「俺はお前の複雑なキャラ設定が不安になるよ」
「?」
ライルは素知らぬ顔でまがまがしい液体を飲んでいる。
「それにしても、彼女は強かったね」
「彼女?」
「そう、今日戦ったローブの刺客」
「あいつ、女だったのか。あんだけ凄い動きしてたから男だと思ってた」
「黒いローブを羽織っていたからね。遠目からは男に見えたかも知れないけど、戦った感じでは女性だったよ。武器も僕が知らないものを使っていたし、かなり強かったね」
「来月の《
「そうだね。そういえば、彼女の手の甲にクラン《
「紋章?」
「人形がナイフで引き裂かれている紋章がクラン《
ライルは毒々しい液体を最後の一滴まで飲み干す。
「リビはこの後どうするの?」
「俺はさっそくガチャだな」
「リビらしいね。僕はエンジュから聞いた
「あれか。俺もダンジョンに潜る時は気にかけておくよ。またなんかあったら、よろしく頼むわ」
お互いに挨拶をし、ライルと別れる。
俺は残った水を飲み干すとさっそく《
斯くして、物語はプロローグに戻る。
《
内部では今まさに抽選が行われているのであろう。
《
先人達が導きだした《
色シリーズとなると0.3%まで下がるらしい。
ほとんどの冒険者が課金するのも、納得がいく数字だ。
そんな事を思っていると、《
一瞬の静寂。
周りの静寂とは真逆に俺の心臓は激しく脈打っていた。
静寂が支配する空間に、再び《
--来る!
周囲が激しい音とエフェクトに包まれる。
--ピロリンッ!
俺の心を読んだかのように、取り出し口に《
サイズは俺と同じくらいだ。
今まで小さな《
まばゆい光と共に、《
--来い!☆5!
俺は願いを込めて《
『☆1《
--☆1?
俺はその結果に呆然とし、立ち尽くす。
「デカいカプセルだと思ったら、☆1かよ、もう終わりならさっさとどけよ」
後ろの男が何か言っているが、全て俺の耳から通り抜けていく。
「てか、コイツ例の《
「お前があの《
男に突き飛ばされ、我に返る。
当てた《
--また、来月頑張ろう。
新たな決心と共に《
《
《
--一人の少女が眠っていた。
《無課金》の勇者 水野〆 @mizuno4410
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