#002-第5話「竹取物語の真実!?」

「なななんじゃ、いきなり呼び出すな馬鹿者!」


 出た──!? やっぱり適当言ってた──!


 俺の目の前のテーブルに、半裸の幼女、もとい、ロリ神様が現れた。着ている服はこの前と同じような和服ロリータモノだったが、現在の着こなしは非常にだらしがない。何かそうだな、床で転がってお菓子食べながらテレビを見ていたような……。


「のんびりとダラダラしながら菓子なんぞをつまんでおる時に不意に呼び出すとはこの無礼者め!」


 大体あってた──!?


「む? お主も姉との前戯中であったか」

「はいぃ!?」


 確かに、姉は俺のアレをアレしているような体勢ですけど、二人とも服着てますから! ちゃんと!


「そんな時に呼び出すとは、お主もおかしな趣味を持っておるのじゃな」

「ち・が・い・ま・す」


 一応強調しておく。ロリ神様は服を直して、テーブルから下りた。ソファに座っている俺と、立っているロリ神様であるが、目の高さはあまり変わらなかった。小せぇな、おい。考えてみれば、あのロリロリしい黒井さんよりも、さらに一回り小さいのだ。


「違う……となると、何の用じゃ? 妾は子どものような姿ではあるが、実年齢は……まぁ、すごいことになっておる。ゆえに安心せい。見せたいのならば見てやろうではないか」

「違いますってば」

「ふむ?」


 釈然としない様子のロリ神様。


 ……もしかして見たいだけなんじゃないだろうか? そういう行為を。


 もっとも、俺は見られたいとは思っていない。そういう趣味はない。断じて。


 こういうのって、秘め事だからいいのではないか、ねぇ? 違いますか、みなさん。


「なれば何の用じゃ」


 幾分憤慨したような様子で、ロリ神様は腕を組んだ。


「妾はこれでも忙しいのじゃぞ」

「だらだらしてたって言ってませんでした?」

「女神にも休息は必要じゃ!」


 そ、そうですか。


 俺は頭をぽりぽりと掻いて、イナバウアーさんの方を掌で示した。


「そこにいるイナバウアーさんから苦情が出てるんですよ。ウサギさんネットワークに変なことするのやめてもらっていいですか」

「変なこと? はて?」


 あからさまにすっとぼけるロリ神様。その後ろではイナバウアーさんが前歯をむき出しにして立ち上がっている。首をねてきそうなウサギである。


「あなたが情報工作してるって噂ですよ」

「なんじゃ、あのことか」


 今度は至極あっさりと認めた――!?


 ロリ神様は腕を組みなおしつつ頷いた。


「何千年も放置しておったからの。こっちに顕現したついでに、あのうさうさネットワークのメンテナンスを始めたんじゃ。主にカグヤのヤツが流したデマの削除作業なのじゃが、関連情報も適当に削除しておる、選別がめんどくさかったんでな」

「カグヤ?」

「知っておるじゃろ、あの竹から出てきたという、生まれた瞬間からデマデマしいヤツじゃ」

「かぐや姫!」

「姫……ぷぷぷ」


 悪意のある笑いを浮べるツクヨミである。いや、ロリ神様でいいや。


「まぁ、あやつも愚兄の力を発現しておったからの。姫と誤解させたり、竹から生まれたと思わせたりするくらいは何てことなかったんじゃろうと思うよ」

「ちょっと待って下さいよ。竹取物語は……」

「成立年代不詳。物語のおやとも言われているわ」


 いつの間にか姉が目を覚ましていた。


「竹取物語は、様々な民間伝承や寓話が積もり重なって出来上がった物語と言われてる。だから、そのモデルとなったがいたとしてもおかしくはないわ」


 姉は起き上がると、ソファに深く腰を下ろした。起き抜けにロリ神様を見てもまったく驚かなかったあたりに、姉の胆力のすごさを見る。逆にロリ神様は、少し引きつっていた。その時イナバウアーさんがたまりかねたような声(ダンディ)で言ってきた。


『おい小僧、竹取物語なんてどうでもいい。そいつに削除された、関連情報とやらが重要なんだ』


 その声の持つ圧力プレッシャーは、いつもの倍にも及んでいた。

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