第309話 吾輩『魔王』の称号を得る。

前回のおさらい。夢オチではなかった。以上。


「おい、チン」

「なんでしょう?」

「吾輩は腹が減った。食事を持ってまいれ」

「………」

「貴様、吾輩の眷属になると誓ったよな……命令に背くのか!!」

「暴君やー、暴れ坊すぎるー!!そもそも貴方いったい何者なんですか!?」

「吾輩か……そういえば名乗っていなかったな。吾輩の名は――」


吾輩は一張羅の赤いマントをはためかせる。


「アインツ・ベルグ・ボルグ・バレンシュタイン・サドガシマ・ケッコウ・イイトコロカモネ・リックドム・ビグザム・ガンダム14世!! 夜を統べし、魔界の王なり!!」

「なっ……なん……だって?!」


ふふ、キマッタ……。夜を統べしってところがカッコいん。屋敷に帰ったら、二つ名とかも考えておくか。ふふふ。


「ま、まさか……あの伝説のバンパイア!?」

「そうだ、そうだ。人は吾輩をバンパイアと呼ぶ。アンパイアではないぞー。審判になってしまうからな。ガハハハッ」

「彼の有名なバンパイア、アインツさん!!」

「そうか、そうか。そんなに吾輩は有名か。ガハハハッ」

「おとぎ話の世界かと思ってました……本当にご存命とは……これは大変失礼を申し上げました!!」


えっ?なんだ……??急に態度が変わったぞ??


「そうとは知らず、私めが数々のご無礼を……どうかお許しください!!」

「いや……そんなにかしこまらなくても……」


一応、無名の物書きなんですが……。ええっ……と。有名とは程遠いんですけど?


「煮るなり焼くなり好きにしてください。くっ……私を殺せっ!」

「ちょっと、姫騎士みたいになってるけど……あれよ魔物ちゃうんよ」

「魔族ですもんね!!」


裸族?裸ちゃいますよ。ちゃんとマント来てるし。魔族っていう風にも聞こえたけど、正真正銘人間よ。太陽アレルギーの人間。それが吾輩。


「あのごめん……」

「まさかあのアインツ様とは露知らず、あんな不躾な態度を……一生の不覚。切腹して、謝罪を」

「切腹とは、なかなか古風ね。あのー」

「消し炭にされることも覚悟しております………ささ、愚かな私を心置きなく消滅させてください!」

「ノリノリなところ悪いんだけど……吾輩そういうことはしないよ」


殺すと脅すことはあっても本当にやることはない。例え相手が蝙蝠であっても。いや、むしろ蝙蝠を殺せるわけがない。結構愛着あるし、お世話になってるし。機嫌悪くて八つ当たりしたのが、いけなかったようだ。


「殺さないから、安心して。どーどー」

「……なんと……慈悲深い……」

「まぁ、ボフォリンにもっとも近い男と言われてますから。それに、ホラ、君、眷属なったやん。眷属殺すってのは主人としてもっとも愚かな行為よ。仲間一人守れん奴にいいやつはおらんってね」

「……さすが魔界の王。心も広いんですね、アインツ様!!」

「ちょっと待て」

「ハイ??」

「なんか、魔族から魔界の王にレベルアップしてるぞ」

「……王と呼ばれるのはお嫌いですか?」

「いや、別に悪い気もしないけど……」

「魔王様!!」

「それはイヤ!!」


なんだよ!!魔王って!!完全に悪者じゃん!!


「失礼いたしました」

「お前はツッコミが多すぎて、あれだ。会話で文字数を稼ぎすぎる感じがある」

「文字数?」

「すまん、どうでもいい。それよりメシだ。メシ。それが優先事項だ」

「承知いたしました……ちなみに若い女と熟れた女どちらがお好みで?」

「まぁ、どっちかつうと若い方だよね」

「かしこまりました!!すぐに調達してきます」

「待て!」


吾輩はセバスチンを捕まえた。


「なんでしょうか……これから若い女を一人搔っ攫いにいくとこですが」

「それをやったらマジで魔王になる」

「……何を言ってるんです?」

「生きた人を攫ったらいけないだろう。常識だ」

「……殺して連れこいと?」

「そんなことを言ってねぇだろう!!」

「私は……どうすればいいのですか、魔王アインツ様!!」

「その呼び方辞めろー!!オーバーロー〇みたいになってるぞ!!どこのウルゴーンさんや!!」


くそッ!!このアホなセバスチャンモドキのせいで全然話が進まん!!


《つづく?》

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