第291話 吾輩、冒険者になりたい!!

吾輩は目を覚ました。こうもりが話しかけてくる。

「旦那、起きてください!!」

「作品は宝の地図、作者は冒険者」

「……何を言ってるんですか?旦那?」

「いや、たとえよ。たとえ」

「……ハッ!!そういうことですね!!」

「ふふふ」




これは、吾輩の作った例え話である。

まぁ、コンテスト中の状況である。


作品という道しるべがなければ、そこには辿り着けないのだ。


『お宝』には。


宝とは、なんだろう?


夢であり、財宝であり、希望であり。人を動かすものではなかろうか。

それを手にするための地図。それが作品である。『宝の地図』


きっと、それが正しければ道を間違えずに辿り着けるのだろう。


作者は『冒険者』である。


自分の地図を盲目に信じ、どこまでも突き進む。


他人は彼ら、彼女らを嗤うだろう。アホな奴だと。宝に目がくらんだアホな連中だと。


だって、宝なんかあるわけがないのだと。


それでも、嘗て冒険者たちは夢をみて、どこまでも突き進んでいったのだろう。


どこまでも、どこまでも――


己の『宝の地図』を持って。嵐の日も、砂漠を超えたり、氷の山を越えたり。


何度も、幾度も、数え切れぬ程、地図と向き合って考え続けたのだろう。形に合うものを探して。


ただ、ひたすらに信じて――馬鹿にされようと嘲られようと――希望を信じて


冒険者は進んでいくだろう。どんな困難があっても、地図を握りしめて。


けど、いつか見つからない時、その『宝の地図』を疑うときが来るのかもしれない。


――これが間違っていたら?


疑念に駆られるだろう。疑心に駆られるだろう。不信に駆られるだろう。


――本当にこれで辿り着けるのだろうか?


行く先もわからず、道を進んでいく。ピッタリ合う形を目指して、探して。


どこまでも、どこまでも――


無数に時は過ぎは、月が昇り、日が落ちていく。それでも、歩き続ける。


泣いたり、笑ったり、驚いたり、楽しんだり、悲しんだり、絶望したり――



何かが冒険者をつき動かして行く、目に見えない、確証もないものが。


それが、冒険者を動かし続けるのだろう。


――自分は間違ってない


こういう想いなのだろか。何かが彼、彼女を動かして行くのだろう。


行く果ては見えず、行先もわからず、盲目に、妄信し、自分の道を築いてく。


いつしか、バカにしていた者たちも、その姿に心を打たれるかもしれない。歓声や声援を贈るかもしれない。そのひたむきさに心を動かされるのだろう。


――先人の冒険者たち、憧れた冒険者たちは、おとぎ話の冒険者たちは、


こういう時、どうした?


――挫けそうなとき、迷いそうなとき、心が折れそうなとき


あなたが愛した冒険者はその時どうしたのだろう。


―――諦めたのだろうか―――


―――膝を地につけたのだろうか――


―――地図を破り捨てたのだろうか――


その答えは『冒険者』のみぞ知る。



fin



「ふぅー、勢いで書いてみたけどどうよ?」

「旦那、勢いは感じるっす!!ただ、冒険がまだ足りないっすね(笑)」

「……そうかもな♪」


吾輩は眠りにつく。


《つづく?》

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