第129話 吾輩石油王の凄さを学ぶ

吾輩は目を覚ました。こうもりが話しかけてくる。

「旦那、お目覚めですか?」

「・・・やはり石油は強い」

「・・・」

「石油王に吾輩はなる!!」

「・・・アホ言ってないで書いてください・・・」

「・・・ハイ・・・」


吾輩、石油王の凄さを確認する。

これは本当かどうかわからない。

息子は言った。


「親父……俺もみんなと一緒に通学したいんだ」


親父は金のガウンを着て、パイプをふかしていたが、息子の問いに口から外した。


「通学してるじゃないか?」


「違うんだ!!」


「何がだい?石油王子?」


「僕は……あんな金ぴかなフェラーリで通学したいんじゃない!!」


父は息子の言葉に考え込む。


「そうか……やっぱり赤がいいよね・・・・・・フェラーリっつったら赤だよな」


「違うーーーーー!!」


「えっ?……緑がよかった?」


「カラーの話じゃないよーー!!僕はフェラーリで通学をやめると言ってるんだ!!父さんは何もわかってない!!」


「……それはすまかった……石油坊や」


息子は強い想いを言葉に込めて、父に向けた――


「僕はみんなと一緒に通学したいんだ!!だから、電車で通学をしたいんだ!!」


「そうか…」


父は息子の言葉を受け止め、立ち上がった。


「わかった。父さんに手配は任せろ」


「父さん!」


息子は願いが通じた喜びを受け止めていた。


――翌朝


息子は登校中に気付く。


「そういえば……電車ってどうやって乗るんだ?」


疑問が沸き上がっていた。ただ、彼はあの言葉を覚えていた。


――父さんに手配は任せろ。


「そうだ、オイルガロンキングがどうにかしてくれるはず!」


ピロリろりーん。


「さっそく、父さんからのメールだ♪やっぱり、父さんはキングだ」


『口座に17億振り込んでおいたから、これで通学用の電車を買いなさい♪友達と一緒に乗るといい。グットラック!!』


息子の携帯を持つ手は震えていた。


「さすが―――――――――――――父さんだ―――――――――――スケールがキングサイズにでかいや。まったく――――――――」


息子は携帯を静かに閉じ――


「ハハ」


笑った――


「ハハハハ」


笑った。


そして


地面に勢いよく携帯を叩きつけた!!


「どうやって、電車を買うんだよ父さんーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!線路も必要じゃないかーーーーーーーーーーーーーーーーー!!これっぽっちじゃ足んないよーーーーーーーーーーーーー!!」


こうして、石油王子はひとつ学習した。

通学用の線路が必要だということを・・・・。


おしまい。


「旦那―――――――――――――!!わけわかんねぇーーーーーーーーーー!!」

「えっ・・・凄さが伝わらんか・・・」

「アホさは・・・伝わりましたとさ」

「なっ!?」


吾輩は眠りにつく。


≪つづく?≫

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