かいひホ~。

 いつものバス停にて――


「ひだりがオスでみぎがメスのクワガタがはっけんされる?」

 イブキがそんな記事を読んでいた。


「すっごいなっ! イッポンヅノのクワガタ! しかもオスとメスがガッタイしたキュ~キョクのソンザイっ!」

 そんな事を言いながら記事を読み進める。


「カラダのサユ~でセ~ベツのちがうコタイはス~マンブンのイチのかくりつでハッセ~するコタイ。こ~いったトツゼンヘンイのコタイはエサバあらそいのときにフリになるため――なんでフリなんだろぉ~? つ~じょ~はおおきくならないかぁ~……」

 イブキがそんな事を言っている隣では、


「牛のお尻に目を書くとライオンなどの肉食獣に襲われなくなる?」

 月夜が動物系の話題を集めたアプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「世界では家畜――牛などを放牧飼育しているところも多く、それを狙う肉食獣などの被害に頭を悩ませている」


「また農家による肉食獣の射殺も深刻な問題になっており、早急な対策を検討している。そこでオ〜ストラリアのニュ〜サウスウェ〜ルズ大学で『牛のお尻に目の模様を描くと、牛をライオンなどの肉食獣から守るうえで有効である』と発表した。なんでなのかしらねぇ〜?」


「ほら、ライオンとかってうしろからおそうからじゃない?」


「そうなの?」


「そそ。ソ〜ショクど〜ぶつでもショ〜メンからいくとわりとハンコ〜してケガするカノ〜セ〜あるから、なるたけうしろからおそうんだよ」

 なぜか肉食動物に詳しいイブキがそう言ってくる。


「それでお尻に目を書いてどっちが前かわからないようにしてるのね〜」


「まあ、なかのは300キロのウシさんをショ〜メンからひとくちっていうモンスタ〜もいるけどねぇ〜」


「そんなのいるのっ⁉︎」


「月夜ってキョ〜ボ〜なモンスタ〜」


「……ウチそんな事した記憶ないんだケド」

 そう返す月夜だった。

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