きょだいカ。

 いつものバス停にて――


「焼肉チェ~ンが朝から焼肉が食べれるサ~ビスを開始っ!?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「いいじゃない! 朝から焼肉! なんでも誰もおもいつかなかったのかしら? ウチもつねづね朝から肉喰いてぇ~なぁ~って思ってたトコなのよっ!」

 なんで誰もやろうとしなかった理由は思いつきもしない。


「朝から肉! 昼も肉!! 夜ももちろん肉っ!!! 最高の一日よね~」

 瞳をマンガ肉にしながらそんな事をいう月夜の隣では、


「もしキョダイモンスタ〜がやってきたときのタイショホ〜かぁ〜」

 イブキがそんな記事を読んでいた。


「エ〜ガではかずかずのおっきなモンスタ〜でてくるよねぇ〜……サメさんはもちろん、サルとかアナコンダとか……やっぱりおっきのはロマンだよねぇ〜」


「そ〜かしら? ウチは巨大になって小さな牛丼しか食べられなくなるのはイヤよ。ど〜せなら小さくなって牛丼の山に突っ込んでいきたいわっ!」


「え〜! おっきくなるほぉ〜がぜったいイイよっ!」


「大きくなるとなんかイイ事ある?」


「んと……」

 しばらく考えて、


「カッコいい!」


「いいかな〜? 漫画とかだと服がなくって裸になるわよ」


「え〜! それはちょっと……」


「でしょ! 小さくなるほうがメリットいっぱいよ」


「そっかなぁ〜? おっきっとカッコよくって、つよそぉ〜! あとキョダイかするとキョ〜ボ〜になったりする」


「やっぱりデメリットしかないわね」

 そう言い切る月夜だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る