てきやク。

 いつものバス停にて――


「からあげ一個一円っ!?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、居酒屋のそんなキャンペ~ンに喰いついた。


「一個一円なら一〇〇円で百個……千円なら千個……福沢先生なら一万……個?」

 そんな当たり前の事を確認するように口にする。


「ただ居酒屋って高校生じゃいれてくんないよね? からあげだけでいいのに~……」

 一万個のからがえの山をイメ~ジしながら、


「一〇〇円でも百個だからすごいわね。テイクアウトは全年齢でやってくんないかしら?」

 月夜がカラアゲを夢見てる隣では、


「ぬ!」

 いつもととかに違う緊張感のある表情で空を見上げるイブキ。


「ツシマがイブキさ――センシャをよんでいるっ!」


「対馬そっちじゃないわよ。たぶんあっち」

 イブキが見え上げたさきの逆を指して、


「イブキさ――センシャがいかないとツシマがゲンにうばわれてしまうっ!」

 使命感に満ちた表情で、


「一〇〇〇年ぐらい遅いわ」


「いや〜いいよねぇ〜ヨロイむしゃっ! タチをふりまわしてっ‼︎」

 表情をいつものに戻して、


「なに? いまやってるゲ〜ム?」


「そそ。オッサンとムサイおっさんとチャンバラするやつ!」


「オッサン二種類?」


「フツ〜のオッサンはシュジンコ〜タイプでムサイほ〜はハゲだったり、デブだったりでタイテ〜はヤリかゲキもってる」


「イケメンとか美少年とかはいないの?」


「ふふん♪ センジョ〜だよ月夜。センジョ〜でいちばんカッコいいのはハゲでヤをすべらせて、デブでシボ〜のヨロイ、ゲキをふりまわすやつだよっ!」


「映画では真っ先に死ぬタイプね」


「そ〜なんだよねぇ〜。ハゲ、デブ、ゲキのシュジンコ〜いないかなぁ〜」


「絵面が酷いからじゃない?」


「むう……カッコいいのに……ハゲ、デブさんがゲキをふりまわしてバッサバッサ!」


「敵役の残虐シ〜ンよね」

 イブキの言葉でそんな場面をイメ〜ジして、そういう月夜だった。

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