わるぷるぎすのよル。

 いつものバス停にて――


「昨日の肉の日にすた丼屋で肉増量――肉一、五倍が無料っ!?」

 月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「なぜ! なぜウチは昨日の肉の日に普通の牛丼屋に行ってしまったのっ!?」

 後悔の念がこもったそんな声をあげる。


「三種の肉丼は今日からなのに――昨日は肉増量を満喫して今日は三種丼を堪能するってゆ~のが一番いいル~トだったじゃない」


「あぁ……タイムマシンないかしら? もしくは昨日と今日をいれかえるやつでも可」

 そんな事を言っている月夜の隣では、


「4ガツ30ニチはワルプルギスのよるっ⁉︎」

 イブキがそんな記事を読んでいた。


「お〜! なんかよくわっかんないけどすごそぉ〜」

 空に浮かぶ城砦のようなモノをイメ〜ジするイブキ。


「ゲ〜ムのラスボスかんでてるよねぇ〜。いてつくはど〜とかバフかいじょしてきそぉ〜」


「アニメとかでも多いわよね。やっぱりボス的な立ち位置で」


「なまえがねぇ〜。おぉ! なんかしらんけどスゲ〜ってなるよねぇ〜」


「実際なんなのかしらね」


「4ガツ30ニチから5ガツ1ニチにチュウオ〜やホクオ〜でおこなわれるキセツイベント――だって」


「季節イベント? 外国じゃクリスマスみたいな感じなのかしら?」


「クリスマスもガイコクのイベントだけどねぇ〜」


「なにするのかしらね〜ワルプルギスの夜」


「なにするんだろぉ〜ねぇ〜ワルプルギスのよる」

 結局、名前のカッコよさしかわからない二人だった。

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