すぺっク。

 いつものバス停にて――


「ジョ〜キョ〜てきにエンキになるかも? っておもってたけど、フツ〜にでたねダイニセダイのSE」

 イブキが月夜のスマホをいじりながらそんな事を言う。


「ジュ〜マンえんこえがあたりまえになってきたのにハンガクでかえるのはイイよねぇ〜。ほぼモンダイなくつかえるし……そこそこのボ〜スイにワイヤレスじゅ〜でんもつかえんだぁ〜」

 あっちこち触りながら、スペックを確認する。


「なんといってもチュ〜モクはCPUだよねぇ〜。11とおなじチップと〜さいで4マンって、ほとんどこのチップのねだんだよね」


「セ〜ノ〜はイブキさんのやつのがいいけど、このネダンでしかもコ〜セ〜ノ〜! できれば、もっとち〜さくしてほしかったぐらいかなぁ〜」


「ウチはバッテリ〜のもちさえ良ければ満足」

 イブキの大型スマホを扱い難いくそうにいじりながら、


「……それ、なんでもいいじゃん」


「もっとないの? スマホかえたらセのびたとか、キンウンあがったとか、カレシできました――とか」

 イブキが雑誌の広告にのってるような妖しい効能を口にする。


「とくにないわねぇ〜……」


「ガゾ〜とかド〜ガとかキレ〜になってんだよ」


「そうなの? わからないわよ。毎日、牛スタグラム更新してりケドぜんぜんわかんないわ」


「ギュ〜スタグラム……?」

 乳牛、肉牛、ファンタジ〜にでてきそうなモンスタ〜っぽい牛の画像が集められたモノをイメ〜ジする。


「ぜんぜんジュヨ〜なさそぉ〜だね」

 ひとしきりイメ〜ジした後にそういうイブキだった。

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