はちゅ〜るイ。

 いつものバス停にて――


「脱皮の途中がカワイイと評判のトカゲ?」

 月夜が動物系のニュ〜スを集めたアプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。


「トカゲね〜……爬虫類ってカワイイのかしら?」

 長い舌でハエを捕らえるカメレオンやドシドシ歩くイグアナをイメ〜ジしながら、


「ヘビは抵抗あるケド……トカゲなら……」

 そんな事を言いながら、続きを読み進める。


「あっ! 手に乗る程度のおおきさで――クリクリの黒い目……い、意外にカワイイかも……」

 表示された画像を見ながら、そんな声を洩らす。


「しかも脱皮途中で脱げた皮が着ぐるみみたいになってる……爬虫類だケド、これはカワイイ! トカゲかぁ〜……」

 古い皮が着ぐるみにようにみえる画像を見ながら、そんな声を洩らす月夜の隣では、


「月夜……ハチュ〜ルイのホントのスゴさをわかってないね」

 イブキがそんな事を言っていた。


「ハチュ〜ルイはでっかくないとっ! ギャルといったらキョ〜リュ〜、ハチュ〜ルイっていったらキョ〜リュ〜、カッコいいっていったらキョ〜リュ〜」


「ウチはカワイイほうが……」


「ハチュ〜ルイはカッコイイ! でっかいっ! ムダにヒをふく――またはホ〜コ〜をあげるっ!」


「なんか……ファンタジ〜のドラゴンのイメ〜ジ強くない? 恐竜、火吹かないし」


「そんなちっちゃいトカゲはハチュ〜ルイのミリョクぜろだよっ!」


「そう? 手乗りドラゴンとかありだと思うケド……」


「テのりドラゴン……」

 イブキは自分の手の平から羽ばたいて肩に乗る小さな竜をイメ〜ジする。


「あっ! ケッコ〜いいかも? このトカゲもメがクリクリでイイかも?」

 なぜか突然、全肯定をはじめるイブキだった。

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